ですか?」
「僕は耍麤gさんが泊まった北罰Ц噝∥蕒螐緲I員でして」
「それがどう関係しているのですか?」
「宿帳に偽名を書くのがいけない事だと言う事は深山さんもお分かりですよね」
「まあ、それはそうでしょうね」
「ましてや、泊まった客が翌日亡くなった訳ですから、當然、警察が小屋へも來たんですよ」
「???」
「で、宿帳を確認した所、耍麤gさんが泊まった事は確かだった。でも、筆跡が摺�Α�
「???」
「となると、小屋に泊まったのが本當に耍麤gさん本人であったのかを確認する必要があるんですよ」
「???」
「もし、小屋に泊まったのが筆跡確認の結果、耍麤gさん本人で無かったとしたら、僕達はその事を警察へ報告しなくてはなりません。何しろ、偽名による宿泊だった事になりますからね」
「でも、そうだとしても何故、一従業員のあなたが訪ねて來られたのですか? 第一、小屋の責任者からは何の連絡もありませんでしたし、アポイントメントも無しに、いきなり來社されるとは???」
「事前にアポイントメントを取っておかなかった事は素直(すなお)に謝(あやま)ります。でも、小屋の主人は會社で言えば社長です。社長本人が直々(じきじき)にアポイントメントを普通取るでしょうか?」
「まあ、いいでしょう。ご用件は分かりました。今、耍麤gが書いた書類を持ってきますから、少々お待ち下さい」
漸(ようや)く深山は折れてオフィスへと書類を取りに戻った。それにしても、深山と言う男、どうも耍麤gについて何かを隠している気がしてならない。そうでなければ、たかだか筆跡確認一つで、ここまで渋ったりはしないだろう。
10分後、深山は書類を片手に戻って來た。
「お待たせしました。これが耍麤gの書いた書類です」
「ありがとうございます。それでは、失禮して拝見します」
俺は深山が持ってきた書類、登山屆、そして、二軒の山小屋に殘された筆跡を注意深く較(くら)べてみた。
「お持ち頂いた書類と登山屆の筆跡は同一ですね」
「はあ」
深山は気の無い返事を返してきた。
「つまり、上高地インフォメ��伐紲螗互螗咯‘に出された登山屆は、耍麤gさん本人によって書かれたものだった事になりますね。しかし、そうなると二軒の山小屋の筆跡が摺�Δ韋蝦喂勝扦筏紺Δ停俊�
「全く別人の筆跡なのですか?」
「微妙に似てはいます。でも、素人(しろうと)考えですが、耍麤gさん本人の筆跡を無理して真似たように思えるんですよ」
「しかし、山小屋と言うと高い所にある訳ですよね。空気が薄くなって體眨�摔鈮浠��Fれるんじゃありませんか? それで、筆跡にも変化が現れたとか???」
「いえ、そんな事はありません」
「???」
「これが8000メ��去毪虺�à毳ē佶欹攻趣霧斏悉勝槨い噸�槨骸⒎'高連峰はせいぜい3000メ��去爰墹扦埂S喑蹋à瑜郅桑�⑻逭{を崩さない限り、他人から見ても明らかに分かる程の筆跡の変化は生じません。それに耍麤gさんは涸沢小屋で既に筆跡に変化が現れています。もし、涸沢小屋で體眨�藟浠���袱皮い郡韋勝欏ⅳ餞欷瑜旮�爍撙け狽'高小屋へは登ってこないでしょう」
「そうですか」
これ以上、問答を続けると墓穴を掘ると見たのか、深山は口を噤(つぐ)んだ。
「これで、小屋に泊まったのが耍麤gさん本人で無かった事がはっきりしました」
「???」
「この事は一応、後日、警察にも報告しておきます」
「???」
「それでは、失禮致します。お忙しい中、貴重な時間をお割(さ)き頂き、ありがとうございました」
「いえ、とんでもありません。お役に立てて良かった???」
深山は再度、力の無い返事を返し、オフィスへと帰っていった。