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第9部分

郡轆工毪取���

「あっ、その銀仮面さまです!」

無電技師が思いだしたように叫んだ。

「その銀仮面さまから、いま無電がかかってきたのです」

「なに、銀仮面さまから……、それをなぜ早くいわんか!」

老婆に化けた男は、ひったくるように、無電技師の手から、紙切れをとりあげたが、一目それを読むと、

「ちくしょう!」

と、叫んで歯ぎしりした。

それはつぎのような電報だったのだ。

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寶石丸発見サル。金田一耕助、等々力警部ラ急行中。岸ペキニ小僧ヒトリカクレテイルハズ。ソイツヲトラエテ、タダチニ出帆、イツモノトコロニテ、船體ヲヌリカエ、名マエヲ|銀《ギン》|星《セイ》|丸《マル》トアラタメヨ。

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[#地から2字上げ]銀 仮 面

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寶石丸船長ドノ

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ああ、それにしても銀仮面は、どうして金田一耕助や等々力警部が、越中島さして急いでいることや、また、岸ぺきに三太がかくれていることまで、知ることができたのだろうか。

牛丸青年

そんなこととは夢にも知らぬ、こちらは三太少年である。

金田一耕助がやってくるのを、いまかいまかと待ちながら、その目はゆだんなく、怪汽船寶石丸を見張っていた。

ところが、どうしたのか、だしぬけにえんとつから、��煠�玀Δ玀Δ取ⅳⅳ�轆悉袱幛郡�人激Δ取⒓裝澶紊悉扦蟻組員たちが、いそがしそうに、右往左往しはじめた。

「アッ、いけない。あの船は出帆しようとしている!」

三太はあわててあたりを見まわしたが、そのとき、ふと目にうつったのは、どうもうなつらがまえをした、マドロスふうの男だった。

「やい、小僧、きさまはそんなところでなにをしているんだ!」

われがねのような聲をかけられ、三太はしまったと、心のなかで叫んだ。

そこで無言のまま、身をひるがえして逃げだしたが、するとそのときむこうから、やってきたのが、これまたどうもうな顔をした船仱轆勝韋饋¥筏�玀長い膜稀⒆螭文郡�槨窯郡い丐�堡啤⒖證恧筏���ⅳ搿�

「やい、小僧、どこへいく!」

傷の男は三太のまえに、大手をひろげて|仁《に》|王《おう》立ちになった。

ああ、もうだめだ。ひきかえそうにもうしろからは、マドロスふうの男が、にやりにやりと笑いながら、近づいてくる。そして、まえにはこの傷の男。進退きわまったというのはまったくこのことだろう。

それでも三太はひっしになって、

「おじさん、どいてよ。ぼく、散步してるんだ」

「なんだ、散步だと。なまいきなことをいいやがる。よしよし、散步をするならいいところへ連れてってやる。待ってろよ」

傷の男はポケットから平たい銀色のいれものをだした。そして、パチッとそれをひらくと、なかからとりだしたのは、グッショリぬれたハンカチだった。

三太はハッと危険を感じて、

「おじさん、かんにんして……!」

と、身をひるがえして逃げようとしたが、その首すじをむんずととらえて、ひきもどした傷の男は、やにわにぬれたハンカチを、三太の鼻にあてがった。

「あ、あ、あ……!」

三太はちょっと、手足をバタバタさせたが、すぐに、ぐったりと気を失ってしまった。

「どうした、あにき、うまくいったか」

「さいくはりゅうりゅうよ。クロロホルムのききめに、まちがいがあってたまるもんか」

「よし、それじゃおれがかついでいこう。しかし、だれも見てやしなかったろうな」

「だれが見てるもんか。出帆だ。急ごうぜ」

三太をかついだふたりの男は、そのまま船のなかに、すがたを消して、やがて、あのいまわしい怪汽船、寶石丸は岸ぺきをはなれた。